K字経済とは?
K字経済という言葉をご存じでしょうか?
富裕層と貧困層の経済格差など経済の二極化が進む状態の事を指します。
所得階層別に収入や貯蓄の増減などを、グラフ化すると上下に開くK字を
描く事で名づけられた名前です。
詳しくはこちらの日本経済新聞の報道をご覧下さい。
コロナ禍になる前より所得格差は問題として挙げられていましたが、
コロナによってその開きがさらに大きくなった印象です。
つまり新型コロナウイルスの長期化によって、低賃金労働者ほど雇用環境が悪化し
株高の恩恵を受ける富裕層に富が集中する状態が続いています。
特にワクチン接種が進んで経済活動が早期に正常化する米国においてK字は顕著です。
このグラフを見ると所得上位20%の層が全体の資産平均を大きく押し上げている
事になります。お金の下限は0円ですが上限はありません。
そのため上位20%の資産が増えれば増える程全体の資産の平均値が押し上げられる
構図となっています。
平均値の罠と言われる理由です。
このグラフのもう一つの特徴として、上位20%以外の層は全て資産が目減りしていく事になります。
ここにインフレ率が加算されるとますます資産の実態を押し下げる事になり
貧困層と富裕層の格差拡大は広がるばかりでしょう。
日本のK字は?
翻って日本に目を移すと日本でも米国程ではないですが
貧困層と富裕層の格差に広がりはあります。
また日本は雇用に不安を抱えています。
非正規雇用が多いサービス業や飲食業界においては
雇用調整が進んでいます。
非正規雇用では正社員より社会保険が完備されていない上
平均給与は正社員の3分の1となっています。
そして次の職が見つけるのも日本の場合難しいようです。
サービス業や飲食業界への転職は業績悪化で簡単に採用されません。
またITやデジタル分野や異業種の転職となると、高い技術や専門的スキル
資格が必要となってくるため雇用のミスマッチが起きます。
そのため一度失業してしまうと長い期間失業者となるケースが多いと言えます。
その間でも生活資金は確保しなくてはいけませんので、収入のあてを探す事になります。
そのため単純労働や単発の仕事などをして生活資金の確保に奮闘するのです。
明日の食事、来月の家賃の支払いなどで頭が一杯なのでとても貯金どころではありません。
K字経済は広がる
今後K字経済はどうなるのでしょうか?
個人的にはこの流れは不可避で止められないと感じています。
企業業績においても業績が過去最高を記録する業種とコロナ禍をきっかけに
大きく業績悪化しそれが回復しないまま倒産や企業規模をスリム化するために
人員削減に動く企業が出てきています。
こちらのダイヤモンドオンラインの記事でも経済格差や貧富の差は止まらないと謳っています。
個人レベルで考えた場合、この流れに逆らうのではなく流れに乗るべきです。
DX(デジタルトランスフォーメーション)が叫ばれていますが、これを個人レベル
においても自主的に進めなくてはいけません。
具体的には在宅勤務・インターネットやプログラミングスキル・動画編集
SNSを使用したマーケティングなど個人においてもデジタルトランスフォーメーション化
をして自ら実績とスキルを蓄積させていかなければ、K字経済の貧困層の側に
なってしまう可能性は十分に考えられるのです。
危機感を抱いておいた方が丁度いい、そう思わずにはいられない報道でした。
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