もうすぐ「平成」が終わり「令和」が始まります。人生100年時代と言われていますが、時代の変わり目に人生100年の働き方について考えてみたいと思います。
定年制は廃止
◎まず思う事として人生100年ありますから、今後会社での定年は伸びると思います。なんせ健康寿命が延びるものですから、一昔前の「60歳定年」は廃止され「65歳定年」というのが今現在の雇用のあり方です。
しかし、これらの定年制度は健康寿命の伸びによって70歳や75歳、場合によっては定年廃止で「生涯現役」の可能性もあります。
特に日本の状況は厳しく「人口減少」「人手不足」「社会保障増大」で国としては少しでも高齢者に働いてもらわなければ「経済・財政」面で不味いのです。
そのため今後の日本においては「定年廃止」で雇用されている側が自ら申し入れしないとずっと働くことになる可能性が高いのではないかと私個人は思います。
しかし問題もあって、企業が高齢者雇用を続けられる余裕が果たしてあるのかどうかと言う点は疑問です。
同じ会社にずっと勤め上げる「終身雇用」の時代は終えつつあります。そのため、一社で全てのキャリアを全うする可能性は低いと考えた方が良さそうです。
年功序列型の給与の終焉
◎今の時代は「年功序列」ではないので、年齢を重ねれば自然と給与が上がっていく会社はほとんどないかあっても今後淘汰されていくでしょう。
しかしだからと言って、完全な成果主義かと言うとそういった形でもないですし日本は他の先進国と比較して雇用が硬直化しており、売り手市場といっても「転職」や会社の人員整理が多いとは言えません。
また平成の時代で顕著なのは「非正規雇用」の増加です。総務省の「労働力調査」によれば、2017年の正規の職員・従業員は3424万と56万人の増加し、一方で非正規雇用の職員・従業員は2036万人と13万人の増加となったとのことです。
被雇用者に占める非正規社員の割合は2017年で37.3%となり平成14年の29.4%より多い数字です。1990年の非正規雇用者数は881万人だった事からも
2倍以上に増えています。
これが何を意味するか、私なりに考えていきたいと思います。
・女性の社会進出が進む
◎年功序列型の会社では、男性は仕事・女性は専業主婦でも家族の在り方として成り立っていました。しかしそれが崩れて男性の給与が思っていたよりも上がらないとなると結婚をしても男女とも「共働き」が統計上増えるでしょう。皮肉ですが、それが女性の社会進出を促し「M字カーブ」は昭和時代や平成の始めから中期よりも穏やかになっています。
・未婚化・晩婚化・少子化が進む
◎賃金が上昇する見込みがないのですから、結婚をためらう人が出るでしょう。非正規社員ならば尚更です。若いうちはルックスが良くて優しいだけでも恋人になり得ますが「結婚」となるといくらカッコよく優しくても「フリーター」や「アルバイト」ではやはり躊躇してしまうでしょう。だから不景気になると「公務員」が結婚の職業の一位になるのも頷けます。
◎また結婚をためらうと共に晩婚化が進みますし、日本はマシになったとはいえまだまだ働きながら子育てするのは大変な環境にあります。そして給与の少なさに養育費をためらい子供は一人とか出産しないといったケースも出てくるでしょう。
・格差社会が到来
◎「非正規雇用者」と「正規雇用者」では賃金格差や社会保険の観点から毎年差が出てきます。いくら正規雇用で「年功序列」がなくなっても最低賃金に大きな差がありますのでこれが毎年毎年の積み重ねによって賃金の差が生まれます。
賃金の差はそのまま格差によって、消費できるものが違ってきます。もちろんもらった額以上に毎月「散財」をしてしまっては意味がありませんが。
・会社に頼らない働き方が進む
◎「年功序列」の終焉によって、給与だけでは生活を豊かにできない可能性が高いため今後は、会社で生かしたスキルで「転職」する場合もあるでしょう。
また「副業」や「起業」をする場合もあるでしょう。いずれにしても「個人」が会社に依存せずに「自立」した考えを持って行動することも考えられます。
個人が複数キャリアを選択する時代
◎先ほど「個人」が自立した考えを持って行動することが考えられると書きましたが、そこを深堀していきたいと思います。
景気に左右されず、この社会で生き延びていくためには「世の中」の動きに敏感に対応していくこと事だと思います。
例えば日本は今「人手不足」が叫ばれています。また国は「働き方改革」を推進しています。今後AI化やRPA化によってなくなっていく業種も多々あるでしょうし、「外国人材」の受け入れに取って変わってしまうかもしれません。
つまり「思考停止」状態で何もしていない状態では自分の仕事が何年後か先にはなくなってしまう可能性があるのです。
この状況を避けるには、個人が率先して「アイデア」を出し、そこから新たな仕事を生み出していかなければいけないと思います。
そのため、クリエイティブな人材でなければ上司や社内では生き残れません。お客様もついてくれないでしょう。つまり自分という「個人」がクリエイティブな存在にならないと稼ぐことは難しい世の中と言えるでしょう。
◎今後の社会の変化に対して「自分の勤めている会社の売り上げはどうなるのか」「自分の給与は減るのか・変わらないのか・増えるのか」など未来の予測をしていくことが重要だと思います。
今後の日本で起こり得る事を考え、自分はどう働いていくのかを考えてみましょう。
例を挙げると
☆キャッシュレス決済が進んだ場合淘汰される業界はどこか、また発展していく業界はどこか
☆ブロックチェーン技術の発展によって社会にもたらされる影響は
☆自動運転が現実となったときの日本・・・タクシー業界の衰退と個人ドライバーの発展など
☆5Gの到来によってもたらされる光と影の業界は
☆東京五輪以降の日本はどうなるのか、観光はまだ発展するのかそして民泊は進んでいるのか
☆外国人材の共存によってもたらされる社会と犯罪は?
☆2025年以降に起こる団塊の世代の後期高齢者(75歳以上)に突入した日本の社会保障費はどこまで我々現役世代にのしかかるのか
☆消費税10%の後、本当に国は消費税を挙げないのか
☆首都直下型地震や南海トラフによる日本の経済的損失は?
など考える事はたくさんあります。しかし大切な事はその起こり得る未来に対して自分はどのように対処していき、今の時代の流れをつかんだ上で働いていくのかが大切な事だと言えます。
1つの会社に依存する時代は終わる
◎タイトル通りですが、「令和」時代はまさしく会社に依存していては生き残れない時代と言えそうです。それは「公務員」とて同じなのではないでしょうか?
自分の会社はつぶれないから大丈夫だとか、不安はあるけど何とかなるさの精神で思考を停止してしまっては事が発生したときには手遅れになります。
また会社で何時間も残業したり、サービス残業して会社の「社畜」状態になってしまうのも危険です。
会社勤めをしながらも、時代の流れを読み場合によっては「転職」「起業」という事を視野に入れて働かないといけません。また「副業」や「投資」によって賃金の補填をするのもいいかもしれません。それくらい大胆にしないと生きていけないのです。
また会社勤めの目的も、ただ賃金を得るためだけではなく「人脈作り」「投資の元手を得るため」「起業の準備資金」「会社を通じて学ぶ・成長する」「将来の結婚相手探し」など自分にとってメリットをいくつも享受できなければいけません。
向こう(会社)もこちらを使ってくるのですから、こちらも「会社」を使うくらいの気構えがなければいけません。じゃないと時間を対価にしているのですから人生を無駄にしてしまう可能性があるのです。
「ライフ・シフト」という書籍には人生100年時代は何度かキャリアチェンジをしなければ今後の社会では生きていけないという事が書いてあります。
例えば、消費行動を見ても「平成」の時代は様々なトレンドが発生しました。
☆おひとり様・中食・プチぜいたく・シェアリングエコノミー・インバウンド消費・癒しブーム・Amazonプライム・インスタ映え
など社会背景を映しています。「令和」の時代も消費が落ち込むことはあっても無くなる事はないため時代の変化に適応しそれを使って稼ぐにはどうすればいいのか、どういった技術を身につけたらいいのかなど考え行動することが大切です。
自分のキャリアチェンジを考えるならば、まず自分の強み・弱み・悩みを現状分析することが大切です。また性格上の分析のみならず今持っている資産・負債なども考えるべきです。
何故ならば事を起こそうと思ったときに、「軍資金」がなければきついです。また自分の家族構成も影響するでしょう。「独身」「既婚子供あり・なし」「介護が必要な家族が居る」といった状況でも全く今後の行動の仕方は変わります。
まとめ
◆自分の職業や業界が社会の波に合致しているかどうかを今一度考えること。
◆時代の波に乗って仕事をしていく事が人生100年時代における必須の能力だという事。
◆そのためにはずっと同じ会社に留まる必要は全くないそのための準備を常にしておく。
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