内閣府が公表した推計によると、40歳から64歳までの「ひきこもり」は全国で61.3万人いると発表しました。
これは2018年12月に調査をした結果だそうです。本来ひきこもりは青年など若年世代に焦点が当たっていました。15歳~39歳までのひきこもりの数字は54.1万人だそうです。この数字は2015年のもので、単純に比較はできませんが、引きこもりが長期化・高齢化をしていると言えます。
この数字を見て私なりに感じたことや思ったことを今回は書いていきます。
◆引きこもりの定義・・・国が用いる定義では、仕事や学校などの社会参加を避けて家にいる状態が半年以上続くことを言う。内閣府調査では、ほとんど自室や家から出ない「狭義のひきこもり」に加え、趣味の用事のときだけ外出する人も含めた「広義のひきこもり」を推計している。従来は専業主婦(夫)や家事手伝いは一律にひきこもりから除外していたが、今回から変更。回答から、最近半年間に家族以外との会話がほぼなかったとわかる人は、ひきこもりに含めている。
◎ひきこもりになった原因は様々にあるでしょうが、一度ひきこもりになってしまうと立ち直るまで時間がかかる、また立ち直るきっかけすら掴めない、立ち直ろうともしないなどひきこもりが長期化するのだと思います。引きこもるという事は人との接点が家族以外にないわけですので、コミュニケーション力は落ちるでしょうし長期化すればするほどそれだけ年を重ねますから社会に出て働くことは厳しくなるでしょう。
社会や国にとってもマイナスであることは間違いありません。そしてお金の面でも親の収入や蓄え・年金や生活保護等で生活をしているわけですので国としてもマイナスのはずです。
◎しかし、ひきこもりは他人事ではないと私は考えています。私自身も今まで生きていた中で人間不信になったこともありましたし、毎日がつらいと感じて嫌になって塞ぎ込んでいた事もあります。
1つ間違えていれば、自分も引きこもっていたかもしれないと思います。もし自分が引きこもっていたら、同じように引きこもりが長期化し年老いていく可能性もあったわけです。
NHKニュースで報道されていましたが、引きこもると孤立・孤独から周りにひきこもりを言い出せない、引きこもっていることを言う事が恥ずかしくますます孤立・長期化していくと報道されていました。確かにそうだと思います。
自分が引きこもっていたと想定した場合、気楽に友人や近所・親族に合わせる顔はないですよね。周りが結婚したり、楽しそうに過ごしているのに引きこもって仕事もしていなければ人はどうしても劣等感・空しさ・孤独感に苛まれますます引きこもっていくに決まっています。
またいざ仕事をしようと仕事を探しても、長く無職というのは相当なハンデを背負っています。雇用する側も、同じ年齢で職についている人と引きこもっていた人どちらを採用したいかは言うまでもありません。
履歴書に「ひきこもり」と言う欄はないのですから、相当職につくのは厳しいと言えます。低賃金・重労働で人手不足の職種ぐらいしか職につけないのが現実ではないでしょうか。
そして、無職で高齢化すると結婚もできません。親が生きている間は、その蓄えや年金で何とかできるでしょうが、親が亡くなった後は大変です。
自力で生活できるとも思えませんし、生活保護を受ける事も厳しいかもしれません。住む場所がなくなれば、ホームレス生活になる可能性もあります。
話が少しそれてしまいましたが、引きこもりの人が引きこもっていた事を他の人に言うのは恥ずかしい事から、引きこもり同士が集まる場所・コミュニティを地方自治体やNPOが提供している所もあるそうです。
ただいずれにしても、引きこもりを脱するには最後は、自分の意思で立ち上がる事しかありません。
資本主義というのはときに残酷で、自ら学び行動し変化に適応していくしか生き延びることはできません。このひきこもりの報道は自分に強い危機感をもって生きていく事を改めて痛感させられました。
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