今回の書評はこちらの本です。
◆タイトル:家賃は今すぐ下げられる!家賃崩壊時代にトクする知恵
◆出版社:フォレスト出版
◆著者:日向咲嗣氏
★ 現在賃貸物件に住んでいて家賃を下げたいと思う人
★ 賃貸物件を探している人
★ 家賃の具体的な下げ方を知りたい
★ 賃貸業界を知りたい人
購入に至った経緯
私自身は今現在、実家で生活しており賃貸物件に住んでいません。しかし近い将来賃貸物件で暮らそうかと考えています。
しかし住居費用は固定費の中でも最も多くのウエイトを占めており、住むからには真剣になります。
- 賃貸を借りる側・・・できるだけ安い費用で住みたい。条件面である程度の譲歩は必要。しかしながらここだけは譲れない点もある。
- 賃貸を貸す側・・・不動産オーナーの収入は家賃収入。入居者には長くかつ家賃の値段を下げずに生活してもらいたい。
といった構図ができるのではないでしょうか?
貸す側と借りる側の双方の思惑が出るのが、賃貸と言えます。
実際に気になる物件を不動産屋に行く前に賃貸業界の知識は必要です。でないと不動産業者に足元を見られて、取られなくても良い費用を取られる可能性もありますからね。
不動産業界は「悪徳業者」も中にはいるようですから注意が必要です。
また、youtube動画からこちらの動画から「この本の紹介」がありましたので読んでみたくなりました。
こちらの動画もおススメします!
賃貸物件を借りるには
②居住中の費用(家賃)
③退去時・契約更新時の費用
印象に残った言葉
「家賃は今すぐ下げられる!」は全4章の構成となっています。
3位:知ってそうで知らないネット活用法
賃貸サイトはうまく使いこなさいと、ただ膨大な数の物件情報に振り回されるだけで、
「どこも帯に短し、襷に長しだった」で終わってしまいかねない。 本文より引用
- ポータル型・・・大手不動産会社の情報や協会(中小企業不動産業界がメンバーになっている)提供のデータがまとまっているポータルサイト
→ 「Yahoo!不動産賃貸」「HOME’S賃貸」「SUMMO賃貸」
- 企業型・・・不動産会社が独自に提供するサイト。情報量はポータルサイトより少ないが情報の鮮度が早い。
→ 「いい部屋ネット」「ホームメイト」「レオパレス21」
- 協会型・・・ポータルサイトや企業型よりも物件数は少ない。但し「元付け物件」があるのが特徴。
「元付け物件」とはオーナーから直接、募集業務を依頼された宅建業者が出している物件の事。
つまりポータルサイトにはない情報の信頼性の高さを売りにしているのが特徴。
→ 「アットホーム賃貸」「ハトさん」「不動産ジャパン」
こういった賃貸サイトから、賃貸を探すわけですが使い方の特徴として
- 検索条件を絞り込み過ぎない
- 検索条件を保存しておく
- 新築物件が出たら、対象物件と比較する
- 対象物件を賃貸サイトで複数見比べる
といった事が書かれています。
特に新築物件と対象物件が同じ値段で立地も大して変わらなければならば家賃値下げの交渉の余地は大いにありです。
また、不動産業界の営業マンは自社の利益を優先しますから営業トークに惑わされないように予め対象物件の目星をつけていく事も大切だと書かれています。
2位:家計の四大疫病の中の最大の病
私は、生命保険、社会保険、住居費(家賃又は住宅ローン)の3つを、家計の3大疫病と呼んでいる。
中略
勤労者世帯の家計を圧迫しているの最大の「病」が住居費である。
本文より引用
人生の中で最も大きな支出を占めるのが、住宅費だと言われています。
単身世帯の家賃は全国平均で5万5千円なんだそうです。(2016年の調べ)都市部では6万円になるのだとか。
家賃は月収の3分の1までと言われますが、本当にそうなのでしょうかということが本書で書かれています。
私がなるほどと思ったのが、デフレ時代において物の値段は下落するものの家賃に関しては大きく下がっていないという点です。
2008年から2019年に至るまで「リーマンショック」「東日本大震災」を日本は経験し地価の価格は下がってきました。
しかしながら家賃に関しては、地価の下落ほど下がっていない現状があるのだと本書では述べられています。
一方でオフィス賃貸などは、地価の価格と比例して下落傾向にあり本来ならば家賃もそれくらい下がるのが妥当なのだという点は納得です。
1位:人口減が引き起こす家賃崩壊
人口の減少が進む一方で、賃貸住宅の供給はといえば、新規着工件数こそここ数年は大きく増えていないものの、
一度建築されたアパートやマンションは、10年や20年では取り壊されたりはせず、そのままストックとして残っていくわけだから
賃貸住宅の供給能力は、年々減ることなく積みあがっている状態である。
本文より引用
日本の人口減少は借りる側から見て有利と言えます。
貸手は空き室リスクを避けたいですから、入居者が集まらなけければ家賃を下げてでも募集するでしょう。
また空き家が出るという事は地価価格が下がる可能性もあり簡単に売る事もできないかもしれません。
そのため、賃貸を借りる側からすると「人口減少」はチャンスと言えます。
また経済的な不況が重なった場合も「人口動態」「経済要因」によって家賃が下がる可能性があるのでチャンスと言えます。
逆に貸す側である「不動産投資」は個人的におススメしません。その理由はこちらの投稿に書いてあります。
まとめ
今回の紹介した部分以外にも、参考になる考え方は多々ありました。
印象に残った場面とは矛盾するかもしれませんが、家賃相場というのは元々「経済環境」「人口減少」という要因よりも
需要と供給で成り立っている部分があります。
例えば、供給(借主)が多い場所では供給(貸主)側は多少家賃を下げても募集をかけたりします。立地条件や利便性が良い物件の場合。
一方で需要を十分に満たす事ができない場合(田舎や立地条件)は家賃競争がないので家賃がなかなか下がらない現状があるため家賃が下がりにくい
背景があるとの事です。
本書では家賃を下げるポイントとして3つのポイントを述べています。
② 比較して家賃が高ければ家賃交渉をする
③ 交渉してダメならば今より安い物件に引っ越す
これらを行うタイミングも重要で
- 契約更新時
- 新規の賃貸契約
- 繁忙期を避ける
などの要素も含まれるようです。
そして家賃の値下げ交渉は借りている側が動き出さなければ何も始まりません。
つまり待っていても家賃は下がらないのです。
もし住んでいるマンションが後から住んでいる人の方が安いなんてなれば当然不公平に感じますよね。
そういった当たり前の事を行動にするための具体的な方法が書かれています。
賃貸に住もうとしている、あるいは住んでいる方、家賃を下げたいと思っている方は一度読んでみる事をおススメします。
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