FIREという言葉を知っていますか?
FIREとは「経済的に自立した状態(Financial Independence)」で、
早期退職(Retire Early)する考え方として、
アメリカで1992年に発祥した「Financial Independence Retire Early」運動の
頭文字をとった造語となります。
「早くお金を貯め切って、定年を待たずに退職する」ことを指します。
今回の投稿ではFire達成の障害となる3つのシナリオを想定してみたいと思います。
FIREは4%ルールが前提
一般にFIREでは、株式・債券などに投資した資産に対して
4%の年利を想定しています。
仮に1億円の資産があれば、毎年400万(税金は考慮せず)
が得られるイメージです。
年間の支出が400万円以内ならば資産の1億は減る事がありません。
FIRE達成に必要な資産額
FIREでは年利4%ルールを適用するため
★毎年の生活費÷4%
の資産を築けば、FIREは理論上達成可能となります。
この4%の根拠として、アメリカの一般的な株価成長率が7%となっています。
そこから物価上昇率3%を差し引いて4%となるわけです。
突っ込み所は多々ありますが、この4%ルールに基づいて
年間生活費ごとに必要な資産は以下となります。
月間生活費 | 年間生活費 | FIREに必要な資産 |
100,000 | 1,200,000 | 30,000,000 |
110,000 | 1,320,000 | 33,000,000 |
120,000 | 1,440,000 | 36,000,000 |
130,000 | 1,560,000 | 39,000,000 |
140,000 | 1,680,000 | 42,000,000 |
150,000 | 1,800,000 | 45,000,000 |
160,000 | 1,920,000 | 48,000,000 |
170,000 | 2,040,000 | 51,000,000 |
180,000 | 2,160,000 | 54,000,000 |
190,000 | 2,280,000 | 57,000,000 |
200,000 | 2,400,000 | 60,000,000 |
210,000 | 2,520,000 | 63,000,000 |
220,000 | 2,640,000 | 66,000,000 |
230,000 | 2,760,000 | 69,000,000 |
240,000 | 2,880,000 | 72,000,000 |
250,000 | 3,000,000 | 75,000,000 |
260,000 | 3,120,000 | 78,000,000 |
270,000 | 3,240,000 | 81,000,000 |
280,000 | 3,360,000 | 84,000,000 |
290,000 | 3,480,000 | 87,000,000 |
300,000 | 3,600,000 | 90,000,000 |
310,000 | 3,720,000 | 93,000,000 |
320,000 | 3,840,000 | 96,000,000 |
330,000 | 3,960,000 | 99,000,000 |
340,000 | 4,080,000 | 102,000,000 |
350,000 | 4,200,000 | 105,000,000 |
360,000 | 4,320,000 | 108,000,000 |
370,000 | 4,440,000 | 111,000,000 |
380,000 | 4,560,000 | 114,000,000 |
390,000 | 4,680,000 | 117,000,000 |
400,000 | 4,800,000 | 120,000,000 |
410,000 | 4,920,000 | 123,000,000 |
420,000 | 5,040,000 | 126,000,000 |
430,000 | 5,160,000 | 129,000,000 |
440,000 | 5,280,000 | 132,000,000 |
450,000 | 5,400,000 | 135,000,000 |
460,000 | 5,520,000 | 138,000,000 |
470,000 | 5,640,000 | 141,000,000 |
480,000 | 5,760,000 | 144,000,000 |
490,000 | 5,880,000 | 147,000,000 |
500,000 | 6,000,000 | 150,000,000 |
この様に見ていくと生活費を抑えると
そこまでハードルが高くない事が分かります。
FIRE達成の障害となる3つのシナリオ
先ほどの表を見ると、FIREは決して夢物語ではなく
頑張れば手が届くものに見えるかもしれません。
しかし実際にFIREは難しく、大変なものです。
ここではFIRE後に起こりうる障害を列挙しています。
株式市場の暴落による障害
FIREを目指す人の多くはインデックス投資やETF(上場投資信託)
が多いでしょう。その中でも米国の指数が中心となっていると思います。
その米国がリーマンショックやコロナショックいやそれ以上の金融危機
が長期に渡って発生した場合、あなた自身が持っている資産が大きく目減りします。
仮に5,000万運用に回しているとしたら、元本は2,500万になります。
運用資金 | 取り崩し額(4%) | 月間生活費 |
50,000,000 | 2,000,000 | 166,667 |
25,000,000 | 1,000,000 | 83,333 |
この表のように元本が金融ショックでダメージを受けてしまうと
取り崩し額が減ってしまい、生活費も必然と下がることになります。
① 元本を減らして生活費は変えない
② 生活費を下げて節約する
③ 足りない生活費を働いて補填する
結婚による障害
結婚する事でFIREが遠のいたり失敗する事もあります。
若くして資産を持つことができる人の多くは節約や貯金をして
FIREの資産を貯めるケースが多いです。(もちろん人一倍稼ぐ力を持った人もいますが)
そのため実家暮らしや一人暮らしでも家賃を抑えた賃貸に住み、
保険や車などもない方たちが多いです。
独身時代は貯蓄率が70~80%の猛者もいる程です。
しかしいざ結婚をしてパートナーと生活するとなったときに
夫婦のどちらかが浪費家までとはいえなくても、FIREに全く興味を
示さなければお互いの価値観が合わなくて大変です。
またFIREは言い換えると会社員として仕事をしない
とも言えます。
場合によっては旦那(嫁)が日中仕事もしないで好き勝手やってる
と思われお互いの関係がギクシャクする事もありそうです。
夫婦でFIREを目指すもしくは、
FIREとまではいかなくても相手の事を理解してもらう必要が
あるかと思います。
育児・介護などによる障害
FIREをする上で、子供を持つと月々の生活費は
跳ね上がります。
子供一人に係る費用は大学卒業まで、約3000万と言われています。
先ほどの表を見ると生活費に子供一人につき
プラス3000万かかるイメージです。
教育費は聖域で究極の人的資産への投資と考える事もできますが
それは子供の話であって、自分自身への見返りは一銭もありません。
子供の教育に関わらず、親の介護もFIREには障害となる可能性があります。
FIREの資金を親の介護費に充てるケースもあるでしょうし、
FIREしてから親の介護が必要になる場合もあります。
後者だと、予め親の介護費用を想定していなければ
思わぬ出費がかかります。
場合によっては再就職をしなくてはいけないかもしれません。
しかし自身も年齢を重ねてしまっていたり、体力が衰えている事もあり
若い頃とは勝手が違います。
FIRE資金を自身のビジネスで構築した場合ならば、
そこまで心配はないでしょうが
節約・倹約がメインの場合は注意が必要です。
悲観シナリオを前提に考える
FIREにも色々なタイプがありますので
自身が目指したいFIRE像を描いておく事が重要です。
そしてFIREまでFIRE達成したからの生活で起こりうる
悲観シナリオは必ず想定しておくべきです。
・FIRE中に事故に遭った、大病を患った
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